2007年08月30日

沙門空海唐の国にて鬼と宴す

大傑作を読んでしまった。

沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ一
沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ二
沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ三
沙門空海唐の国にて鬼と宴す 巻ノ四

面白い、面白い、面白い。

巻ノ一から巻ノ三。もちろん面白い。続きへの期待で矢も盾もたまらなくなる。
そして巻ノ四が凄い。興奮で体が震えた。
表現、文体、夢枕獏以外の何者でもないのであるが、今までの著作をはるかに上回るカタルシス。
著者も結末辺りは身震いしながら書いたのではなかろうか。書いている途中の著者の興奮がダイレクトに伝わってくる気がした。

そんな勝手な著者への親近感を意識の片隅に遊ばせながら遂に話は終わり、あとがきを読んで更に嬉しくなる。
全くその通りです。物語に力がある。
読了後1時間経った今でも興奮覚めやらない状態です。

私が読んだのは新書版で、単行本が出ていた事も知らなかった。
夢枕獏ファンに、この愚か者メガ!っと有らん限りの罵詈雑言を浴びせられ、生まれてきたことを後悔してしまうこと必至の有様なのです。
平身低頭お詫び申し上げます。

ところで新書版、表紙が大変美しい。

私の気を引いたこの装丁にも感謝します。

投稿者 iwazawa : 00:47 | コメント (0)