陋巷に在り〈13〉魯の巻 酒見賢一著読了。

面白かった。帯にはずっと「異色の孔子伝」と書いてあるのですが、これって孔子伝なのでしょうか?顔回伝だと思うんですがね。
なんつーつまらない突っ込みはこのくらいにしておいて、異色は異色です。表紙を描いている諸星大二郎の世界に近いです。顔回と南方の巫儒との壮絶な呪術合戦。今では道徳と化してしまった儒教のダークサイドなのです。
私が中国歴史物を好きになったきっかけが本書(と「後宮小説」)なのですが、歴史物として人に薦めるのは憚られます。ホラーじゃないですが、その手の魑魅魍魎云々がお好きな方には推薦です。

陋巷に在り〈1〉儒の巻の奥付を見ると、1992年11月発行となっている。10年以上も読んできたんだなと思うと感慨はあります。

(ネタばれを含むためここからは追記で…)